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アキュベリノス技術講座 シーズン1 プリント配線板について(初級編) 第12回(第12章)はんだ付けは熟練工の腕次第
アキュベリノス技術講座
シーズン1 プリント配線板について(初級編)

第12回(第12章)はんだ付けは熟練工の腕次第


今号のポイント
はんだ付けは奥が深い!・・・知っておきたいこと。
こんなこともあります


1:知っておきたいこと

 はんだ付けは単純な作業に見えますが、実は大変奥が深いものです。はんだ付け理論というものがあるとも聞きます。注意すべき主なファクターとしては、温度・時間・材料特性・添加剤が上げられます。

1)温度調節(温度・時間)

 はんだは温度を上げれば良いというものではありません。温度が上がれば電子部品にダメージがありますし、はんだそのものも酸化し易くなります。またはんだは、複数の金属からなる合金ですが、その組成によって融点が異なり、100℃以下でも溶ける低温はんだから220℃以上でやっと溶ける鉛フリーはんだまで様々です。そこで温度調節が非常に大事になります。
 多くの工場で使用されるリフローマシンを例に温度調節を紹介します。リフローマシンは3m程度のラインを一定速度で被実装物を移動させますが、その間を6〜12ゾーンに区切り、それぞれのゾーンで温度プロファイルというプログラムに従って温度管理できます。温度は急に上昇、下降させるのではなく、一般的に時間経過に沿って、準備、予備加熱、本加熱、冷却という段階を作り、最低限の加熱で最高のはんだ付け状態が作れるように工夫されています。温度プロファイルの見本を図12-1に示します。
 この温度プロファイルのカーブは、プリント基板の大きさ、厚み、銅箔厚、層数、そして搭載部品の種類、大きさ、数によって異なってきますので、通常はまず未実装状態のプリント基板に温度センサを複数個取り付けて加熱テストを行いながら、プロファイルのカーブを決めていきます。
 ですから、実装依頼数以外に1枚余分に生基板を提供する方が良いのです。この温度プロファイルの作成には、技術者の腕が必要になります。





2)鉛(共晶)はんだと鉛(Pb)フリーはんだの特性の違い

 はんだの材料でよく使用されるものに、大別して鉛はんだと鉛フリーはんだがあります。鉛はんだは共晶はんだとも呼びます。その特性の違いを表12-1に示します。過去から使われてきたのは鉛はんだですが、鉛の毒性が環境に与える問題が取り沙汰され、鉛を含まないはんだ(鉛フリーはんだ)が生まれ、いまでは製造機械やはんだゴテまで、鉛フリー専用のものがほぼ浸透しています。ただし、組成が違うので、様々な注意や工夫が必要となっています。
 例えば、製造ラインは完全分離が必須であり、鉛フリーはんだは融点が高いので、より一層の温度管理が必要となります
 鉛はんだは、融点も低く、はんだぬれ性が良く、比較的扱いやすいですが、鉛フリーはんだは融点が高く、電子部品へのダメージに細心の注意を払う必要があり、かつはんだぬれ性が悪いので、技術者の腕が試されます。





3)手実装(手はんだ)

 マシンは万能ではありません。チップマウンタやインサートマシンでは対応できない形状の部品もあります。例えば、ピッチの広いアキシャル部品・ラジアル部品、あるいは、コネクタや端子台など。これらは人手で部品を置いていきます(手実装)。この時、実装図とプリント基板のシルクマークを確認しながら有極性部品の向きには細心の注意を払う必要があります。もし手はんだする場合も、特に試作のように数が少ないと、チェックは自動検査装置ではなく、目視になるので見落としには細心の注意が必要です。依頼時には現場でのチェック方法も合わせて確認して下さい。

4)銅箔に厚みのあるプリント基板の実装

 電源用プリント基板などでは、大電流対応や熱放散のために、70μ以上の厚銅箔を使用することが多いです。しかし、この手の実装には腕が必要となります。熱が放散してはんだが溶け難いからです。マシンで可能な部品はできる限りマシンで行いますが、温度プロファイルが中々取れない時や温度を上げすぎて電子部品には危険と判断した時は、プレヒートを行った後に、手はんだを行う場合もあります。いずれにしても、かなりの熟練度が必要な作業となります。

2:こんなこともあります

1)リペアー、リボール

 BGAではんだ不良(中心部ではんだが溶けていない、あるいはショート)を起こした場合の修復手段として、リペア、リボール技術を使って、再度BGAを蘇らせることができます。ただし、はんだ付け温度に加熱できる回数が、LSIによって決められているので、確認してから行うことが必要です。

2)BGAのジャンパー配線

 プリント基板へ実装済みのBGA中心部のボールにジャンパー線の一端をはんだ付けして、信号を外部に引き出してくる技術もあります。万が一、実装後に回路接続を変更したい際には、利用できる技術です。できるかどうかは、実装工場に問い合わせて下さい。

3:組立ての指示

1)リードの曲げ加工

 リードの曲げ加工が必要な場合には、必ず指示書を出して下さい。図12-2のようなケースの場合、プリント基板上のシルクマークだけでは、実装担当者は判断できません。きっちり確認して来る実装工場もありますが、もし、思い込みで作業を進めてしまっては一大事です。必ず加工指示書を出して下さい。





2)ヒートシンクの取り付け

 ヒートシンクを取り付ける場合も組立て指示書を出して下さい。ヒートシンク自体のGNDへの接続や非接続、ヒートシンクと基板の間に絶縁物を挿入させたい場合などの指示です。
また、ヒートシンクは自分で組み立てたい場合でも、ビス止め穴の高さは指示します。使用するビスや放熱シートの種類や数量、手配などです。また、シリコングリスの塗布をするかしないかもです。



今回で、アキュベリノス技術講座 シーズン1『プリント配線板について(初級編)』は終わります。全部で12回でしたが、回路設計後の工程について、最低限度ではありますが説明して参りました。最近の回路設計者にとってはあまり踏み込まない領域かと思いますので、聞き慣れない言葉や、説明が足らない部分もあったかと思います。如何でしたでしょうか?
次回より、アキュベリノス技術講座 シーズン 2『プリント配線板について(応用編)』が始まります。ここでは、LVDSやDDR3などで使用される高速差動回路が確実に動作するプリント基板にするためのポイントなどについて説明をする予定です。ご期待下さい。

第12回(第12章)はんだ付けは熟練工の腕次第 終わり
ご意見、ご質問: tetsuzan@accverinos.co.jp

(本書は、株式会社アキュベリノスの著作物です。許可なく掲載、転載等を行うことを禁止します。)


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アキュベリノス技術講座 シーズン1 現場は様々な部品形状との格闘
アキュベリノス技術講座
シーズン1 プリント配線板について(初級編)

現場は様々な部品形状との格闘


今号のポイント
一般的な自動部品実装作業フロー
アートワーク設計、実装現場ではどんなことに注意しているのか?


1:一般的な自動部品実装作業フロー

 図11-1に一般的な自動部品実装の作業フローを示します。これはリード型もチップ型もすべて部品面に搭載する場合になります。マシンでは搭載できない異型部品は手挿入を行ってからディップマシンに流す場合もありますが、狭ピッチリード型コネクタなどディップマシンに流すとはんだショートする部品は、ディップ後に手実装(手はんだ)してから検査に持ち込みます。
 また、チップ型部品が基板裏面にも搭載される場合は、図11-1のチップマウンタで一旦、部品面側を搭載しリフロー炉を通した後に、ひっくり返して基板裏面側を接着剤塗布して部品を固定してから図11-1のインサートマシンを経て、ディップマシンで裏面全体をはんだ付けします。つまり、部品搭載面や搭載されている部品形状によって、作業フローは変わります。
 メタルマスクは、アートワーク設計者から出力されたガーバーデータを使って作製されます。単なるステンレス板にパッド部分が抜けている(開口)だけですが、開口の大きさや板の厚み指定によってはんだ量を調整する場合もあります。また、基板外形サイズによっては表版と裏版を1枚で仕上げて、版代を抑えることもありますので、実装工場と相談して下さい。




2:部品の搭載面や搭載部品のパッケージ形状によって考慮する事項

1)パッドサイズの違い

 前述のように、一般的に部品面はリフローを、基板裏面ではフローにてはんだ付けされることが多いです。しかし、はんだの付き方が大きく違います。静かにはんだが溶けてなじんでいくリフロー法に対して、フロー法は溶けたはんだが瞬間的に通り付着しますので、リフローに比べてパッドサイズを大きくしてやる必要があります。
 従って、アートワーク設計のライブラリ登録工程の時には、すでにどのようなはんだ付け方法を行うかが決まっている必要があることを知っておいて下さい。パターンの引き回しも違ってきます。





2)部品搭載方向の制限

 フロー法によるはんだ付けの場合は、前述のように、溶けたはんだが瞬間的にランドやパッドを通過するのですが、はんだには粘性があるため、狭いところには入り込み難く、一度付いたパッドやランドからの切れも悪いです。
 そのため、どうしてもはんだ面にチップ部品を実装しなければならない場合は、図11-3のようにディップ方向(はんだの流れ)に対して平行に、チップ部品が縦一列に接近して配置すると、きれいなフィレットが形成できにくくなったり、狭ピッチコネクタに至っては、はんだの尾が引いて隣接ピンとのショートを起こしてしまったりするので、アートワーク設計の部品配置の段階から意識して配置する必要があります。





3)フィレットとはんだ流れ

 フィレットとは、はんだ付けされた際の部品電極部と基板上のパッド間で形成されるはんだによる傾斜(富士山の裾野のようなカーブ)のことで、良いはんだ付けは、そのカーブも美しいものです。溶けたはんだには適度な粘性があるために起こる現象で、リフローでもフローでも手はんだでも形成されます。
 また、フロー法でリード型のコネクタを実装するときは、はんだの流れに垂直に配置して、ランド部にティアドロップ形状を形成させておく方が良いです。





4)部品間隔

 インサートマシンはチャックと呼ばれるロボットハンドで部品を掴んで指定座標で挿入するために、先行実装部品が近すぎると接触を起こしてしまうので、指定の間隔を保って配置する必要があります。
 具体的な距離はマシンによって異なりますので、アートワーク設計時には実装工場の基準書を入手しておく必要があります。




5)クリンチとその逃げ

 量産基板の場合は、リード型部品を挿入した際に、基板をひっくり返しても抜けないように、クリンチと呼ばれる「リード曲げ」を行います。この場合、曲げたリード同士が当たらない方向と距離を考えた部品配置が必要です。また、曲げたリードの先端とパターンが接触しないように、配線を行うこともアートワーク設計に要求されます。





6)部品直下の穴には注意

 フロー法によるはんだ付けを行う場合は、部品直下の穴(キリ穴や角穴、VIAなど)を避けて設計することが肝心です。穴から溶けたはんだが噴出し、部品の下部を痛めてしまう可能性があるからです。
 アートワーク設計後の検図時には、こういう点もチェックをして下さい。





7)認識マーク

 チップマウンタはプリント基板との部品の位置や傾きを正確に補正しなければなりません。そこで必要なのが、この認識マークです。最低限、部品や基板の斜め対角の2カ所にこのマークがあれば補正が可能になります。
 2ピンや3ピンのチップ部品には個別には必要ありませんが、多ピンや狭ピッチで精度の必要なQFPやSOPには個別に設けます。はんだ面にも該当部品が搭載してあれば、はんだ面に認識マークが必要になります。





 今回はここまでとします。次回は第12回(第12章)「はんだ付けは熟練工の腕次第」を予定しています。
 初級編の最終となります。

第11回(第11章)現場は様々な部品形状との格闘 終わり
ご意見、ご質問: tetsuzan@accverinos.co.jp

(本書は、株式会社アキュベリノスの著作物です。許可なく掲載、転載等を行うことを禁止します。)


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アキュベリノス技術講座 シーズン1 プリント配線板について(初級編) 第10回(第10章)一般的な実装作業方法(搭載部品別)
アキュベリノス技術講座
シーズン1 プリント配線板について(初級編)

第10回(第10章)一般的な実装作業方法(搭載部品別


今号のポイント
部品形状別に作業方法の紹介
一般的なはんだ付け方法


1:部品形状別に作業方法の紹介

 部品の形状別の呼び名を図10-1に示します。この他にどれにも属さないものを異型部品と呼んでいます。



 部品形状は大別して表面実装部品(SMD:Surface-Mounted Device)、リード型部品、異型部品の3種類があります。

 搭載方法には、大別して2種類あり、自動実装と手実装です。
手実装とは、その名の通り、手による部品の搭載とはんだごてによるはんだ付け作業のことを言います。ここでは、自動実装について説明をして行きます。

 自動実装の場合は、メタルマスク用ガーバーデータと部品座標データが必要になり、まず実装現場では、インサートマシンやチップマウンタに座標データを読み込ませた後に、実際の部品(リール梱包の向き)と座標データの方向とを一つ一つ確認して行くプログラミング作業を行います。ここで有極性部品の向きを間違えると不良となります。
部品形状別に対応する実装マシンとそれぞれ対応できるプリント基板サイズを表10-1と表10-2に示します。これは一例なので、実際には必ず確認して下さい。





2:一般的な自動はんだ付け方法

 表10-2でも出てきましたはんだ付方法を説明します。大別すると、リフロー法とフロー(ディップ)法の2種類があり、それぞれに対応したマシンが用意されています。

リフローマシンとフローマシンのイメージ図を図10-2に示します。





 リフロー法においては、プリント基板全体を加熱しますが、その温度管理は時間とともに調整でき、プログラムできるようになっています。この時系列での温度管理グラフを温度プロファイルと呼んでおり、その内容は搭載部品の種類や大きさや数量・搭載面によって異なり、工場のノウハウとして保有しています。なので、日頃使用しない部品形状を搭載する場合は、事前の温度プロファイル作製が必要になり、そのために未実装状態の生のプリント基板が1枚必要です。
 今のリフロー炉は、炉内を複数のゾーンに分けて、それぞれのゾーンでの温度管理ができるマシンが流通していますので、さらに丁寧な温度管理ができます。この温度プロファイル関連は第12章でも説明しますので、そちらも参照して下さい。

 上記のはんだ付け方法はどちらもプリント基板をマシンのレールに乗せて搬送しながらはんだ付けを行うため、ある注意が必要となります。それは実装のデッドスペースと基板外形コーナーの処理です。
 デッドスペースは、レール部分の部品搭載禁止のことで、図10-3のような「捨て板」部を形成させて、レールに挟まれる部分と搬送用の基準穴を持つ役目も合わせ持ちます。
外形の四隅のRまたはCの処理は、マシン投入時のレールに入り易くするためです。




 図10-4は捨て板を付けずに、プリント基板の内側に搬送用の基準穴を設ける場合で、その時も周囲にはデッドスペースが生まれ、搭載部品の配置を考慮する必要があります。これは、近い将来に量産基板に移行する場合に使われます。量産時にはいちいち捨て板をカットするのは手間となります。
 しかし、部品搭載面積は限定的になる訳ですから、密度が高くなる傾向になりますので、アートワーク設計者はもちろん回路設計者も概略配置の検討段階から注意が必要となります。




 今回はここまでとします。次回は第11回(第11章)「現場は様々な部品形状との格闘」を予定しています。

第10回(第10章)一般的な実装作業方法(搭載部品別) 終わり
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