■CALENDAR■
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31    
<<前月 2018年10月 次月>>
■LOGIN■
現在のモード: ゲストモード
USER ID:
USER PW:
■ADMIN■
ADMIN ID:
ADMIN PW:
■NEW ENTRIES■
■CATEGORIES■
■ARCHIVES■
■LINK■
■PROFILE■
■POWERED BY■
BLOGN(ぶろぐん)
BLOGNPLUS(ぶろぐん+)
■OTHER■

アキュベリノス技術講座 シーズン1 プリント配線板について(初級編) 第3回(第3章)アートワーク設計者のスキルを知る
アキュベリノス技術講座
 シーズン1 プリント配線板について(初級編)

 第3回(第3章)アートワーク設計者のスキルを知る


 ★今回のポイント
  アートワーク設計の中身は?
  どんなスキルを持ったアートワーク設計者なら任せられるか?

1:アートワーク設計とは何か?

 みなさんは電子回路設計の技術者です。では、アートワーク設計、および、その設計者はどのような業務を行っているのでしょうか?ここでは、アートワーク設計の実務の流れに沿って説明します。また、その時に、回路設計者としてのポイントも説明します。

 (1)打ち合わせ
 (2)基板製造・実装情報
 (3)ライブラリ登録
 (4)基板外形入力
 (5)接続情報の読込み
 (6)部品配置
 (7)パターン配線
 (8)DRC(Design Rule Check)
 (9)シルク編集
 (10)全体チェック
 (11)顧客承認完了
 (12)基板製造用ガーバー出力
 (13)実装用データ出力

 以上が、アートワーク設計の大きな流れですが、その中で特に重要と思われる作業項目の内容と、その時の回路設計者としての注意点などを説明します。

(1)打ち合わせ
 詳細は次章で説明しますが、ここは回路設計者がアートワーク設計者にどんな基板をデザインして欲しいかを伝える重要な工程です。設計指示書を提出し、丁寧に指示をすることが大切です。指示の内容については、次章以降で説明します様々な技術要素が含まれます。

(2)製造実装情報
 プリント基板製造や部品の自動実装に必要な情報になります。
通常は回路設計者が直接指示する必要はありませんが、アートワーク設計会社や部品実装会社が持っている標準的な仕様とは異なる場合は指示が必要です。
 また、依頼する製造数量(試作なのか量産までの想定なのか)によってプリント基板製造や部品実装では各設定諸数値が異なってくることは理解しておくべきです。
 つまり、今は試作でも数ヵ月先に必要な量産数量をあらかじめ伝えておくことで、最初から量産スペックを想定してデザインする方が、費用的に助かるのです。もちろん量産数量と言っても様々ですので、試作と変わらない量産数量の場合もありますので依頼先と相談して下さい。
 どのような値が、どう違うのかをすぐに回答できるアートワーク設計者はかなり経験があります。
おおよそ次のような項目です。

【プリント基板製造用情報】
 ・対プリント基板端からの銅箔・スルホール・レジスト・部品外形・キリ穴間の各最短距離(プリント基板基板端には、ルーター加工・Vカット・ミシン目・金型の4種類それぞれがあります)
 ・最小の導体幅(L)/導体間隔(S)
 ・スルホール径に対するランド径とレジスト径基準(スルホール径はドリル寸法と仕上がり寸法別に記載されます)
 ・最小のスルホール間距離
 ・スルホール/パターン/SMDパッド それぞれの最小間隔
 ・SMDパッド/レジスト間の最小距離
 ・ミシン目の形状・ピッチ・幅
 ・ステ板部のベタパターン形状(ソリ防止)
 ・製造密番形状
 ・金型ガイド形状
 ・ULマーク種類と形状
 ・広面積ベタのスリット基準(安全規格対策)
 ・最小シルク文字寸法
 ・レジストとシルクのズレ幅基準
 ・角穴・長穴基準(工場によっては角穴不可もあります)

【部品実装用情報】
 ・SMDパッド寸法(フロー用、リフロー用)
 ・チップ部品座標データ内容
 ・マウント用認識マーク形状と位置(対基板と対SOP, QFP, BGA)
 ・捨て板とディップフローの方向
 ・ディップフロー時のはんだ溜まり形状基準(QFP, SOP, 狭ピッチリード部品など)
 ・マシン毎の板厚と外形サイズの適応およびデッドスペース基準
 ・各部品間の最小距離基準
 ・ベタ内ランドのサーマル形状
 ・リード部品(アキシャル・ラジアル別)のクリンチ方向とアンビル寸法および隣接パターン禁止範囲
 ・リード径に対するスルホール径の基準

(3)ライブラリ登録
 ここからは、アートワーク設計会社が中心となる作業です。
各部品のデータシートを基に、CAD上の部品を作成する工程です。過ちを低減するために自分が使ったデータシートを支給して下さい。
 アートワーク設計上、もっとも過ちが発生しやすい工程です。依頼先に過ちに対してどのような防止策を取っているかも確認して下さい。
 押えるポイントは、大きくは以下の2つです。

 A)回路図のピンアサインとCAD部品のピンアサインの一致(有極性部品、コネクタなど)
 B)実装できるパッドサイズかどうか? つまり実装仕様に合致しているか?

 両方ともアートワーク設計者で完璧にしておくべきものですが、特に(A)はライブラリに過ちがあると開発期間に重大な影響を及ぼすことになり兼ねないので、念を押して下さい。
 データシートを支給した時に、上記のような物理的サイズ以外に、アートワークに関する注意事項が記載している場合もありますので、アートワーク設計者が気付くかどうかを確認するのも、アートワーク設計者のレベルを知るのに役立ちます。

(4)基板外形入力
 凹凸の多い外形などは、もしあらかじめAutoCadなどの図形CADで入力されたものがあれば提出して下さい。
 複数枚のプリント基板を注文するなら、コストが最小になる取り数を計算してもらい、シート付け状態に加工してもらった方が良いです。取り数の計算については、プリント基板製造のところでお話します。

(5)接続情報の読込み
 いわゆる回路図入力ツールから出力したネット情報(回路設計者からアートワークへ支給)をアートワークCADへ読込む作業です。どんな形式のデータなら読込み可能か事前に確認しておいて下さい。
 この際に明らかに論理的におかしい個所はエラーとして出力されます。論理エラーではないものは当然発見できません。その一例はライブラリ登録時のポイントの(A)で、有極性部品のピンアサインの違いです。

(6)部品配置
 この作業は、アートワーク設計者任せにせず、回路設計者自ら積極的に指示や相談をして下さい。回路図には表れませんが、性能(放熱、ノイズ対策など)、使い勝手(デバッグのし易さなど)や、部品実装の難易度などに大きく影響をします。特に注意すべきポイントを以下に示します。

 A)実操作時の使い勝手。デバッグ時の使い勝手
 B)コネクタの方向や位置
 C)接近させたい部品、遠ざけたい部品の位置
 D)パスコンの数と位置
 E)制限や条件をつけた個所が思うようになっているか
 (この段階でもアートワーク設計者のレベルが分かります。)

(7)パターン配線
 ライブラリ登録時のピンアサインが完璧で、かつネット支給をしていれば、パターンを一本一本追わなくても、接続は必ず回路図通りになります。
ただし、アートワーク設計者の能力により、性能や納期に影響が出ます。特に、インピーダンス、等長配線、差動配線、ガードリング、パスコンへの配線などは、設計指示書で指示して下さい。また、そのパターンの信号の周波数は伝えて下さい。
また、上述の項目以外では、以下の項目について検討されているかも確認して下さい。

 (A)パターン幅:プリント基板の銅箔厚が35μm、幅1mmで1Aの電流容量が目安ですと言われますが、できればその2倍〜3倍ぐらいにする方が良いと思います。
 (B)パターン長:FR-4材で無負荷の場合、1nsで150〜160mmの伝播速度です。負荷によりますが、通常1nsで80〜100mmが目安のようです。
 (C)パターン間隔(S):デジタル信号:S=L
    クロック〜信号:S=3L(L=パターン幅)
 (D)その他:トランスやフォトカプラの1次−2次間
DC-DCコンバータ内コイル直下の内外層のくり抜き(内外層の銅箔間距離が短いことを案外見逃しやすい)


2:任せられるアートワーク設計者とは?

1)使用するLSIのアートワーク設計上の注意点を知っているか?

 できるアートワーク設計者を探すポイントは、アートワーク設計して欲しい回路の中で、中心となる部品(特にLSIなど)のアートワーク設計経験の有無を聞いた方が実際的だと思います。そのLSIの名称を言って、アートワーク設計上注意すべき点を知っているかを尋ねます。1回でも経験していれば経験があると言えますが、注意点を覚えているほど経験していれば大丈夫と言えるのではないでしょうか。逆に回路設計者の方が初めて使うLSIであっても、最近はデータシートにアートワーク上での注意点が記載されていることが多いかと思いますので、それを質問するだけも良いと思います。

2)アートワーク指示書や資料の間違いを指摘してくれるか?

 こちらから提出するアートワーク指示書に、仮に過ちがあったとしても、残念ながら普通のアートワーク設計者は、「言われたことを正確にやる」という人が多いので、これも悪意なく気付かず作業を進行させてしまうことがあります。
 見積資料を渡した時や事前の打ち合わせなどで、質問が多いアートワーク設計者は、良いアートワーク設計者の場合が多いので、手間と思わす対応した方が良いと思います。その中でお互いににパートナー意識が濃くなって行くものです。

3)改善提案はあるか?

 回路設計者が用意するアートワーク指示書や資料、データの形式など、お互いに出力し易いものや受け易い形があるものです。作業し易いということは、効率アップにつながります。このようなことをどんどん提案してくれるところが助かります。
 もちろん、アートワーク設計そのものの提案もどんどんしてくれるところが良いパートナーと言えます。

 今回はここまでとします。次回は第4回(第4章)「工程指示情報 アートワーク設計編」を予定しています。

第3回(第3章)アートワーク設計者のスキルを知る 終わり
ご意見、ご質問: tetsuzan@accverinos.co.jp
(本書は、株式会社アキュベリノスの著作物です。許可なく掲載、転載等を行うことを禁止します。)


| http://accverinos.jp/cp-bin/blogn/index.php?e=7 |
| 開発こぼれ話 | 06:13 PM | comments (x) | trackback (x) |
PAGE TOP ↑